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  • 目の若返り(クマ・たるみ等)

ハムラ法・裏ハムラ法(脂肪再配置)が”確実に再発”する理由 1 ※ハムラ法と経結膜脱脂術の違い

2019年11月16日

シンシアではいわゆる目の下のクマの治療に対して

 

○ハムラ法

○裏ハムラ法(皮膚を切らずに行うハムラ法)

○ハムラ法とほぼ同義の”脂肪再配置”(韓国のクリニックがよく裏ハムラ法のことを脂肪再配置と呼ぶ傾向があるようです)

 

は行いません。

 

それは数多くの再発する理由があり目の下で悩んでいる患者さまにとって良い手術ではないと考えているからです。

 

 

なおここでいうハムラ法・裏ハムラ法・脂肪再配置は眼窩脂肪を減らさない手術を示すこととします。

 

○ハムラ法において皮膚を切開し眼窩脂肪を減らすことを併用する

○裏ハムラ法において経結膜的に眼窩脂肪を減らすことを併用する

 

ことは、ハムラ法本来の効果ではありません。

眼窩脂肪を減らすことを併用すれば症状の改善は見られますがその効果の殆どは眼窩脂肪を減らすことが本質でありハムラ法自体は目の下の若返り効果に殆ど影響を及ぼしていない可能性も高いといえます。

それならわざわざ高い料金を払ってハムラ法をしなくても経結膜脱脂+脂肪注入術で充分事足りてしまうからです。

また眼窩脂肪除去後のハムラ法・裏ハムラ法は眼窩脂肪の周囲と内部に存在する複雑な膜構造が壊れた状態からの固定となるため安定した手術にならない可能性もあります。

(要するに固定が外れやすい、眼窩脂肪の固定に偏りが出やすいなど  患者さまは術後にMRIででも受けなければ確認不能)

またハムラ法最大の売りである”脂肪を減らさないから目の下が凹まない”という前提が根底から崩壊してしまいます。

 

※目の下の骨のない部分は彫りが深い、中顔面が高いなどの”骨格によっては”凹んでいることこそ美しさにつながるのでこの凹まさないという前提も”ウソ常識”なのですが詳しくは

【術後クレーム解説①】経結膜脱脂術 術後凹んだ(へこんだ)の理由
を御覧ください。

 

 

 

 

○第一回である今回はまず理解の難しい

ハムラ法、裏ハムラ法

経結膜脱脂+脂肪注入術

とはどういうものなのか の説明をさせていただきます・。

 

 

 

1、目の下が若々しく美しい状態(クマがない状態)とは

○涙袋は主に眼輪筋によって形成されている膨らみなので、よく笑う人は発達し明るく可愛らしい雰囲気に見えます。歳を取ると筋肉が衰えて小さくなってくることもあります。涙袋の端っこに笑いじわが入ることは若い人にもありうるので受け止めてしまったほうがいいです。

○眼球の下、骨の上にある脂肪を眼窩脂肪といいます。この部分が少なめの人は目袋が無いのでスッキリとして見えます。

○図の”骨の上はふっくら”と書いてある部分はある程度のボリュームがある方が美しく若々しく見えます。

 

2.目袋と骨の上が痩せてきて若々しくない(美しさが損なわれている)状態とは

○体質的に目の下の眼窩脂肪が多い人や、加齢に伴って眼窩脂肪の量が増えた場合は行き場をなくした眼窩脂肪が皮膚を前に押し出すので目袋となります。

眼窩脂肪のある部分の皮膚は人体で一番薄いので若い人でも眼窩脂肪の量による圧力に逆らって支える力は殆どないです。

60代を超えたような皮膚がゆるゆるな状態でもなければ眼窩脂肪を減らしても普通に膨らませたゴム風船が元通りに縮むかのように馬鹿正直にそのぶんたるむというようなことはありません。

○目袋の下の部分は、ふっくらしている方が若々しいのですがこの部分が凹んでいる人は目の下のツルッとした感じが損なわれてしまいます。

 

 

※目の下が若々しく見えず美しさが損なわれている例

術前

赤い部分が目袋

青い部分が目袋の下の凹みの領域

 

 

3.経結膜脱脂術+脂肪注入とは

○下まぶたをひっくり返して穴をあける。

○多すぎる眼窩脂肪を引っ張り出して除去。→目袋が改善

(この際、人体にとって必要な脂肪は骨などにへばりついているので取りすぎることは出来ない。)

○目袋の下の凹みはもともと皮下脂肪がある部分で皮膚もほどほど厚みがあるのでそこの皮下脂肪に紛れ込ますように眼窩脂肪を砕いたものや太ももなどから採取した脂肪を必要に応じて注入する。→目袋の下の凹みが改善

※更に太ももなどから採取した場合はこの絵の範囲外ですが中顔面などをふっくらさせて更に若々しく美しい状態にすることが可能。

※目袋の前の皮膚は人体で一番薄く、皮下脂肪も殆どないため脂肪注入を行うと注入脂肪だけが周りから分離して存在してしまうので凹凸につながります→目袋のあった部分への脂肪注入でシワを伸ばす・皮膚色がよくなるなどの治療は高い危険を伴うと思ってください。

 

 

このように経結膜脱脂術+脂肪注入は患者さま個人個人の膨らみ・凹みの状態に合わせた、”定量的”で精密な治療が可能です。

 

経結膜脱脂術+脂肪注入治療例

※経結膜脱脂術+脂肪注入術後2ヶ月

目袋と目袋の下の凹みがなくなり涙袋の下から中顔面にかけてひとつのツルッとした面になっているので若々しく美しく見えています。

 

 

4.ハムラ法(皮膚を切る場合)裏ハムラ法(皮膚を切らない)とは

表・裏というのは皮膚を切るか結膜の穴からアプローチするかだけの違いで本質はおんなじなのでハムラ法と言います。

○切開した部分から眼窩脂肪の皮膚側の膜と眼輪筋層の間を剥離していき、更に目袋の下の凹みの部分の骨膜上を剥離する。

○眼窩脂肪の膜を骨膜に縫い付ける

→眼窩脂肪がもともとあった位置を超えて目袋の下の凹みの部分に張り出すようにする。(目袋の下の凹みの改善)

→眼窩脂肪が下に移動するので膨らみが軽減(目袋の改善)

 

つまり、どんなに目袋が大きい患者であっても

目袋の下の凹みが広範囲であっても基本的にできることは同じ”定性的”に膨らみと凹みの関係を良くする手術です。

更に中顔面が痩せている場合になどは対応することも出来ません。

 

 

 

経結膜脱脂術+脂肪注入は”定量的”

ハムラ法、裏ハムラ法は  ”定性的”

と書きましたが、

 

わかりやすく例えると液体の酸性・アルカリ性を調べるときに

 

”定量的”に行うというのは精密な測定機器で正しいpHの値を出す

≒経結膜脱脂術+脂肪注入

”定性的”というのはリトマス試験紙で赤・青をみて酸性・アルカリ性だけを判断する

≒ハムラ法・裏ハムラ法

 

ということです。

 

 

さらにバストを大きくするときに行う手術でハムラ法・裏ハムラ法経結膜脱脂術+脂肪注入の違いを例えると

 

○広背筋皮弁法でバストを大きくする(乳がん術後などで行われる再建術 背中の筋肉をバストに移動してくる手術)

≒ハムラ法・裏ハムラ法

 

○太ももやお腹などから脂肪吸引をしてCRFやピュアグラフトにしてバストに注入する

≒経結膜脱脂術+脂肪注入

 

と言えると思います。

要求される技術の高さは圧倒的に広背筋皮弁法によるバストアップですが

美しさと後遺症の少なさは圧倒的に脂肪注入によるバストアップです。

 

 

ハムラ法・裏ハムラ法も要求される技術が高く、できるようになれば美容外科医師としてカッコイイし、高額ですしメニューに入れたくなる気持ちはわかりますが本質的に”定性的な”ハムラ法・裏ハムラ法は”定量的な”手術である経結膜脱脂術+脂肪注入より美容外科の観点において優れた手術では無いと考えられます。

 

 

 

そして次回以降書いていきますが、

ハムラ法・裏ハムラ法(眼窩脂肪を減らさない)は確実に再発する理由があります。

 

 

お楽しみに

 

 

 

 

この記事を書いた人

シンシア総院長 / 銀座院 院長 又吉 秀樹

日本美容外科学会専門医 慶應義塾大学医学部出身 目の下のクマ、フェイスリフト、ベイザー脂肪吸引、コンデンスリッチファット(CRF)豊胸などが専門。
お気軽にご相談ください。

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