【ワキガ】ワキガ臭の原因酵素
2021年03月11日
2021年

昨年、英国の大学の研究チームがワキガ臭(腋臭)の原因酵素を発見したと発表しました。
ワキの下に棲む数種類の細菌が、ワキガの原因菌であることは以前からわかっていましたが、この発表では、これらの細菌のひとつが産生する特定の酵素が臭いの原因であることがわかったと言っています。
ワキガの臭いは、アポクリン汗腺によって皮膚の表面に分泌された無臭の前駆体分子を細菌が分解することで生じると考えられています。
ワキガの悪臭は、揮発性脂肪酸(VFA)とチオアルコール類から成る揮発性有機化合物の混合物が原因です。
チオアルコール類は、産生量自体は微量ですが、非常に刺激的な臭いを発する揮発性物質です。

ワキの下に存在する主な細菌としてよく知られているのは、
- ブドウ球菌属
- キューティバクテリウム属
- コリネバクテリウム属
などです。
その中でチオアルコール類を産生するのは、ブドウ球菌属の「スタフィロコッカス・ホミニス」で、 この細菌が持つ特定の酵素が作用して、無臭の前駆物質を悪臭のチオアルコールに変換することが判明したのです。
分子レベルでのワキガ発現の仕組みが解明されたので、今後はこの酵素を失活させる方法を見つければ、細菌叢を乱さずにワキガを抑えることが可能になるでしょう。
