ヒアルロン酸バストのシコリで悩んでいる方へ。

最近バストのバッグインプラントが減ってはいるのですが、バストヒアルロン酸後のシコリの悩みを抱える方が多いので、この際整理してご説明しようと思います。

相談の方はこの方ではありませんがヒアルロン酸の豊胸は結構こんな感じになりやすいです。

上の方のシコリの一部。これが大小たくさんある感じです。

ヒアルロン酸バストのシコリはヒアルロン酸が固くなっているのでは無くて、塊としていれられたヒアルロン酸の周りにコラーゲンの被膜ができているわけです。バッグインプラントで起こりうる拘縮が小さい単位で起こっていると思っていただくと近いと思います。

被膜の中にヒアルロン酸が包まれてしまっているので自分が本来持っているヒアルロニダーゼによる分解も非常にゆっくりになるのでいつまでもシコリとして残ることとなります。

イメージで言えば胸の中にピンポン玉がたくさん入っているイメージです。

これを溶かすのは非常に難しい施術となります。
漫然と皮下にヒアルロニダーゼを注入してもかなりの部分が溶けないのです。（ピンポン玉の殻に阻まれてヒアルロニダーゼが中のヒアルロン酸に到達しない）

またシコリのど真ん中に長めの針を使用してヒアルロニダーゼを注入してピンポン玉の中のヒアルロン酸を溶かしたとしても、ピンポン玉の殻を壊さないとシコリはそのまま残ります。

針孔だけではピンポン玉の殻は壊れないので思い切り握りつぶすという作業が必要になります。
この際、耳を澄ましているとバスッと音がします。（シンシアではコンデンスリッチファット豊胸術の時に意識のない状態で行うこともあります。）

ちなみにこれは結構な痛みを伴います。

そのうえで乳腺の中に注入されてしまったヒアルロン酸などは溶かすことが困難（本来の乳腺との区別も難しい）かつ、バスト中にシコリが存在するで完全に溶かすのは難しいです。

こういう理由で、最もバスト用に使用されたSub-Q（=VRFの旧名称）を製造販売しているスウェーデンのQ-med社がバストヒアルロン酸を禁止したのです。
（Q-med社のヒアルロン酸豊胸禁止の声明はこの記事に詳しいです）

幸いにして１回あたり片側7０㏄程度にとどめた方でバストヒアルロン酸の施術を繰り返していない方はシコリのリスクは少なかったです。

現在バストのヒアルロン酸を行っているクリニックは、（僕としてはそもそもバストを扱う資格があるのか疑問に思ってしまいますが）

1.禁止されたことは知っているが、シコリができないように一回あたりの注入量を制限して（片側５０CC程度）繰り返すときには、十分に前のヒアルロン酸が溶けて新たなシコリの原因にならないようにしている。
2.禁止されたことは知っているが特に対策も立てずに漫然と行っている
3.禁止されたことも知らない、術後もろくに見ないから術後にシコリが発生しうることも知らない。できたシコリを治療する手段も知らない。

の３つに分かれています。
びっくりするほど3.のクリニックが多いようです。

なおシンシアは“よほどの理由がない限りもうやらない”と宣言しています。（シンシア開業後バストヒアルロン酸数人行っています。(*v.v)｡その後も他の施術でリピーターさんになってもらっていますが幸いにして今のところシコリの訴えはありません。）


胸のヒアルロン酸施術後はそれぞれの状態によって治療がかなり異なってくるので、次に進むときには
○いろいろなことに通じた、経験のある
○誠実な心を持った美容外科医師
ご相談されることをおすすめいたします。