ワキガ手術（剪除法・切開法など）でも汗の量はそれほど減りません。

本日ワキの多汗症のボツリヌストキシン100ユニットを行った患者様のワキの状態です。

かなり前に某形成外科にてワキガ手術（剪除法、反転法、切開法などと呼ばれるやり方）を行っています。

ワキガ手術自体は形成外科医師にとっては入門編とも呼べる手術で基本中の基本ではあるのですが、技術のうまい下手に関わらず皮膚に合併症が起こる場合があります。

その原因としては

○体重が多めでワキの範囲が広く、剥離面（血流が悪くなりがち）が広い場合

○糖尿病、喫煙者その他血流が悪くなりがちな体質

○アポクリン腺（ニオイのもととなる大きな汗腺）だけでなく、エクリン腺も減らすために限界まで薄くする

などが挙げられます。

今回の患者さまの場合は１番目と３番めの複合かと思われますが、手術を受けているにも関わらず現在シンシアに多汗症ボツリヌストキシンの治療を継続的に来てくださっていると言う状態です。

つまり

皮膚に潰瘍→瘢痕ができるほどペラッペラになるまで手術をガッチリとやったとしても汗の量は十分に減らない。（ニオイは減る）≒多汗症にワキガ手術は効果が薄い、むしろボトックスのほうが効果が高い

そしてワキの皮膚についた瘢痕はゼロになることはない。

このことがご理解いただけると思います。

ワキガ手術（保険診療の手術）でよく見られる術後変化。

繰り返しますが、これは手術が下手だからなったわけではなくこの手術でかなりの割合で見られるものなのです。

逆側

ボツリヌストキシンはこんな感じで注入します。（片側５０ユニットを6CCに溶いて皮内に広範囲に注入）

通常のクリニックで行われているような1ccに溶いて注入などでは効果がかなり低くなります。

そして写真のような広範囲を手術で剥離したら皮膚に潰瘍→瘢痕ができるリスクは当然高いのです。

今回の記事で皆様に伝えたいことは

○多汗症に手術的治療は効果が薄いのでやらないほうが良い。あくまでワキの手術は皮膚の危険を考えるとニオイのもととなるアポクリン腺を減らすだけに留めなくてはいけない

○保険適応になる切開法、剪除法は皮膚の潰瘍→瘢痕のリスクがあるのでできればやらないほうが良い。とてつもなく強いニオイのあるワキガあるいはフォーミュラシェーバー法などで再発したときだけ考えるなどに留める

ワキガの手術はアポクリン腺（ニオイのもと）の処理だけならフォーミュラシェーバー法が一番理にかなっていると思います。切開法（剪除法）とそれほど変わりありません。

渋谷院で行っていますのでぜひご検討ください

(o^-‘)b

なお多汗症で一番効果があるのは、手術よりもRF治療器よりもボトックス（ボツリヌストキシン）で間違いありません。手術もRF治療器も皮膚の潰瘍リスクがあるうえに効果が大したことないのでおすすめできません。

ワキガの専門サイトはコチラ

ワキガ治療でとても良い治療であるフォーミュラシェーバー法のことが詳しく載っています。

https://cynthia-wakiga.com/

お写真のご協力を快くご承諾くださった患者さま、本当にありがとうございます。

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