多汗症とワキガの関係
2025年07月04日
2025年

今回は、ちょっと面白い論文がありましたのでご紹介します。
北里大学さんが2024年に発表した『抗コリン外用剤で治療を行った原発性腋窩多汗症と腋臭症との合併例の臨床的検討』 という論文で、内容は、
多汗症とワキガを併発している患者さまに、 保険適応での多汗症治療外用薬「抗コリン外用剤」を塗布した結果どうなったのか?
を考察したものです。
結果としては、
・多汗症もワキガも改善した
・皮膚常在菌も外用薬を使用した前後で変化した
とのことでした。
これだけであれば「いつもの論文だよね!」という印象で終わるのですが、
面白いのはここからです!
「これは,多汗のHDSS改善が認められない症例でも腋臭は改善し,
細菌は評価し得た全例で変化していた結果より推察された。」
という一文があるのです!
要約すると、
多汗症の改善を感じなかった方の中にワキガだけ改善した方がいた。
しかもその全例でワキの皮膚常在菌※1が変化した。
つまり、【抗コリン薬】で細菌叢(さいきんそう)※2が変化するかもしれない!!ってことですね。
※1…ワキの皮膚常在菌は、汗や皮脂を栄養源として増殖する。とくにアポクリン汗腺から出る汗に含まれる成分を分解することで、
特有の臭いを発生させる原因となる。
※2…細菌叢(さいきんそう)とはある環境に存在する細菌の集まりを指す言葉。
多汗症の評価スケールは、HDSSっていうかなり曖昧なスケールであるのと
・検討した対象が少なすぎる
・女性が多い
・10代が40%を占める
と、限定された条件の中での結果なので、なんとも言えないところもありますが…
皮膚常在菌が変化するのは少し面白いですよね!
ちなみにHDSS(Hyperhidrosis Disease Severity Scale)とは、多汗症の重症度を評価するための尺度で、患者さんの自覚症状に基づいて4段階で評価しています。

ワキガを治療するにはどんな治療が良い?
基本的に
ワキガを治療するには手術しかない!
と思っています。
手術した人ならわかると思いますが、ワキにびっしりついたアポクリン汗腺が塗り薬でおさまるとは思えないからです。
足立東部病院さんがとても綺麗な画像を載せています。
ご興味のある方はご覧ください。
※手術中の画像のため不快に感じる恐れがあります。閲覧にはご注意ください。
わきが・腋臭症の実際の手術写真
福寿会足立東部病院 わきが(腋臭)・わき汗・多汗症.com はわきが(腋臭)・わき汗・多汗症に関する情報を幅広く提供する総合情報サイトです。わきがでお悩みの方はお気軽にご相談ください
出典元:医療法人社団福寿会 福寿会足立東部病院
こんなにびっしりありますからね…。
塗り薬で完治するのは難しそうです。
シンシアのワキガ治療
シンシアではベイザー・フォーミュラシェーバー法というワキガ治療を行なっています。
ベイザー・フォーミュラシェーバー法は
・皮膚にできるだけダメージを与えない
・根治的にアポクリン汗腺を除去する
という特長があります。
体への負担が少ないのに、皮弁法と同等の効果を期待できるという大変人気の治療です。
ぜひお気軽にカウセリングにいらしてください。
※ワキガ治療は渋谷院のみの施術となっております。